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タブラ奏者 指原一登 オフィシャルサイト

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タブラ奏者としての選択

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photo: 浮花


インドには、上手いタブラ奏者というのはそれこそ吐いて捨てるほどいる。

それでも仕事のあるタブラ奏者というのはほんの一握りで、ほとんどは仕事にありつけない。

映画産業やTV・ラジオ、ポップス、古典音楽と、様々なフィールドで必要とはされるけれど、とてもとても、需要に対して分母が大きすぎるのだ。

特に、伝統の古典音楽においては、狭き門率がハンパない。

ただでさえ高い競争率に加え、たとえどんなに腕があっても、家柄やコネというものが、インドの文化的にも、特に伝統芸能の世界的にも、必要になってくる。

そして、タブラ奏者としては、余程の家系でスタープレーヤーとして育てられでもしない限り、基本的には「伴奏」が主な仕事になってくる。

そのためには、ただテクニックだけあっても、音楽を読み取る力がないと通用しない。

逆に、ただのテクニック偏重は、たいがいメロディ奏者に煙たがられる。




**
誰でも最初は、スタープレーヤーに憧れてタブラを始める。

でも現実的な仕事の9割以上は伴奏。

伴奏にしても、テクニック10年の後、良いメロディー奏者について音楽性10年というような世界。

基本的に、師匠から習うのは、「タブラソロ」用のフレーズやテクニック。

もちろん、それらを習得することで、音楽的に対応するテクニックを磨いていくことになるのだけれど、実際にメロディに対してどうアプローチしていくのかというのは、良いメロディ奏者と演奏し経験を積むしかない。

もし自分が「ソリスト」としてやっていくには、あと最低3回くらいはインドで生まれ変わって、尚かつ幸運に恵まれないと無理、というほどの究極のレベル。。

では、タブラ奏者としてどうしていくか?

10年後には、インド人とも対等に演奏していけるオープンなフィールドを創っていくためには?

もし、現実的な伴奏者としてのテクニックと音楽性を磨いていくことに集中すれば、やりようによっては可能性があるのではないか。

少なくとも、それによってインド人とも「インド音楽」を演奏していける。それはモーシンの時にも実感することが出来た。

上を見れば、際限なく上がある。でも最低限のラインを超えていくことで「インド音楽」を演奏することになり、そこから更にレベルアップしていける。

どこまでレベルアップ出来るかは、またその先の話だ。

いずれにしても、目指していく究極の対象として存在しているのが師匠であることは間違いない。




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インドでも、本当に伴奏者として上手い、優れている人というのは意外に多くない。

もちろん、トッププレイヤーは除く、と注釈をつけておく。

たいがいは、テクニシャンであるほど我が強くなってしまうもので、相手の意図を汲んだり、音楽を全体性で捉えたり、繊細な表現に結びつけたりというのは、一般的に、あまりインド人の得意とするところではない。

余程いい奏者と練習や演奏を通したり、師匠の前で演奏するなどの環境から時間をかけて肌で覚えていく部分、と素質だ。





その点、ものすごく手本となるような、伴奏者として非常に優れたタブラ奏者が来日するので、この機会にぜひ交流出来たらと思う。

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アルナングシュ・チョウドリィ来日公演
https://www.facebook.com/events/794644327313562/


メロディーに合わせたタブラの歌わせ方などは、タブラソロとはまた違ったテクニックやコツがあるのだ。


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